「口付けを」 果ては遠くなかった 幾つもの口付けを寄せる 髪に、 こめかみに、 苦しそうに寄せられた眉間に、 寄せ集めても集めても 指先からこぼれていく 何かに、 口付けを 去る者と取り残される者 どちらのほうがより辛いかなんて 分かるはずもなく 誰ということもないのですが。 あえていうなら土方さんか。 (2005年5月)